芸術。音楽。絵。詩。心。

優れた芸術作品には、こんな美しい作品がどうして創れたのだろう、どうしてこんな作品が生まれることができたのだろう、と感じずにはいられないものがあって。
創り手自身にすらあって。授けられたもの。
その想いは、宇宙に対してどうして生まれたのだろうと感じずにはいられないのと同じ、響きあう。

驚きとときめきを感じずにいられず、その奥底に、人間の想いの深さが沁み込んでいて、心に響いてくるのをおしとどめられず、苦しくさえなるのが、ほんとうの芸術。

音楽と絵は、説明することなく、表現のあらわれそのもので、魂に向き合い勝負するので、言葉表現より、人間にできる芸術表現として、透明、純粋で、恋い憧れずにいられません。

けれども詩で、音楽、絵のまねをして、意味を軽んじ言葉の意味を捨てられる気になるのは、愚かな自滅行為に過ぎないと私は思います。
言語表現にしかあらわせないものは、言葉が孕んでいる、一語一語、語り伝えられてきた、人の時の想いの宿る、かけがえのない、意味です。

揺らぎ移り変わりながらも、言葉の魂として、受け渡されてきた、意味。
ささえてくれるものは、音の響きと、文字の形、イメージ、象徴の無限の彼方への飛翔の、美しさ。
なにより、人の、心。