日本語。知里幸惠。八木重吉

読書メモ
「日本語の歴史」山口明穂、鈴木英夫、坂梨隆三、月本雅幸東京大学出版会。時代を奈良、平安、鎌倉・室町、江戸前期と後期、明治以降に区分し、音韻、文字、語法、語彙、文体について、多くの用例を読みながら学べる。
人と言葉は移ろうものと、感じる。

「日本文学全集30日本語のために」池澤夏樹個人編集、河出書房新社
祝詞、仏教、キリスト教の文学と、現代かな遣い、日本語論考の選び方に特色があり学べる。アイヌ文学、知里幸惠を採りあげたのは素晴らしい。
より深く濃く彼女の最良の真価を多くの読者に伝えてほしかった。

八木重吉全詩集1、2」ちくま文庫
彼の詩は好き。石川啄木種田山頭火に、響きあう心と言葉の美がある。
詩集「秋の瞳」、「貧しき信徒」に選ばれた詩は、言葉少なで、短歌、自由律俳句とも通いあう。
同時に、八木重吉は、知らなかったけれど、詩稿、未刊行詩は、毎日言葉想いあふれるまま言葉逃さすしつように書きつけていて、磨かれたのだと感じた。
書かずにいられなかった言葉は、ひとからひとに響き伝わるのだと想う。