読書メモ。大乗仏教、神道、伝統色、黙示録。

読書メモ「大乗経典(ニ)  仏教聖典選第四巻」岩本裕読売新聞社
「一万頌(しょう)般若経大乗仏教の《空》(くう)は、言葉では伝えようもないことが伝わってくる。
「大乗経典(ニ)  仏教聖典選第四巻」岩本裕読売新聞社
「金光明経〔七〕弁才天」。女神サラスヴァティーの漢訳名。神奈川江ノ島で今も祀られている女神。讃たんの詩は、とても清らか。古代ギリシャの女性詩人サフォーの「アフローディディー(ビーナス)讃歌」の女神へ捧げるおごそかで美しい詩と響き合うよう。経典のあちこちに当時インドの女性蔑視が雑草のように生い茂る中でも枯れない一輪の、りんとしてきれいな花のよう。

読書メモ「日本神道史  増補新版」岡田荘司、小林宣彦編、吉川弘文館
古代から現在までの、神道について。
多くの事柄を考えていくための、基礎知識となり、登山口を探し選ぶために、とても良い本。

読書メモ「神道とは何か  −神と仏の日本史」伊藤聡、中公新書
近世まで、神仏習合本地垂迹(ほんじすいじゃく)説、人神信仰、渡来神、女神、儒学国学キリスト教との関わりまで、特に中世を中心に文献に基づき詳しく考察されていて、考えさせられる。

読書メモ「美しい日本の伝統色」濵田信義編著、中田昭写真、パイ インターナショナル。
植物、鳥、動物、浮世絵にかかわる色の名など、季節や染色の仕方まで、多くの日本画、着物、工芸品の絵や写真、和書古典と文芸作品の豊富な引用と織りなされていて、とてもきれいな良い本。

読書メモ「黙示録と幻想 −終末の心象風景」版画展図録、町田市立国際版画美術館。デューラー、詩人ブレイク、ドレ、ルドンなど。聖書、ヨハネの黙示録(最後の審判など)、ミルトン「失楽園」、ダンテ「神曲」の作品群。生と死と幻視、この世と天国と地獄、光と闇、刻まれた白と黒の世界は鮮烈な、美。