ジャイナ教。原始仏教、大乗仏教

読書メモ「ジャイナ教徒とは何か 菜食・托鉢・断食の生命観」上田真啓、ブックレット〈アジアを学ぼう〉49,風響社。
古代から現在までの歴史、信仰の根本にあるもの、受け継がれてある現在の姿と生活。とてもよく理解できる。

読書メモ「沙門(しゃもん)ブッダの成立 原始仏教ジャイナ教の間」山崎守一、大蔵出版
原始仏典、ジャイナ教典を、書かれた言語を丁寧に読み取り、類似と相違を並べて多く引用していて、学ぶことが多い。ブッダのさとりと初期の布教がどのようであったか、についての著者の考察にも共感する。

読書メモ「仏教入門」岩本裕(ゆたか)、中公新書
この著者には信仰者には脱ぎ去りがたい押しつけがましさはなく、インドからガンダーラ、中国、日本へと伝えられた人間と文化と歴史に対しての視野の広さと学識の深さと、なにより文学に近い眼差しと共感、距離感があり好き。大乗仏教の章に学べた。

大乗仏教経典にはメチャクチャなところが満ちあふれているけれど(仏教に限らずどんな宗教信仰にも)、説教者信仰者は信じたのだからメチャクチャだとは言わない。
言う者を非難するのが信仰だけれども救いの信仰が根深く(偏狭なナショナリズムとともに)殺し合いの人類史の源であり続けるのは悲惨。

ムチャクチャなものでもすがりつき救いを求められずにいられない人の心(例えば観音信仰)も、自分をみつめると、感じとれてわかり共感すると伝えずにいられないのが人間の文化、文学。穏やかだからこそ、人間らしさ、こころを、犯し壊すものに対しては激しく拒み、受け容れることなんてけしてしない。ほんとうに良い、優れた、文化、文学は。マガイモノが満ち溢れていても。