詩歌の源のこと、授けられるということ

詩を生む源の魂は、反骨以外にないから。
日本詩歌の本当に良いものに女性の和歌からの目映い個性の星星が輝いているのは、社会一般的に差別おとしまれ平等公平ではないなかで反骨の星星だから。
勅撰集にも権力権威者の和歌の砂、瓦礫のなかにも光る魂の星。
反骨のない権威者の砂、瓦礫は今も同じ。

わたしのとても好きな、敬愛する、小野小町も、和泉式部も、紫式部も、式子内親王も、建礼門院右京大夫も、実人生あからまさにいえば、しあわせではない。
でも、だからか、こころ打つ美しい詩歌は、生みだせ、伝えられる。

書きもらしてしまったけれど、とても大切な、大伯皇女(おおくのひめみこ)と、読み人知らずの、歌だけ残し伝え心に今響かせてくださる、無名で逝かれたおおくの歌人たちも。

ほんとうに心に響く詩歌は、頭だけで上手に面白くできたようなものであるはずなく。
心から歌わずにいられず、言葉をけんめいに選び尽くせた、不可思議ないちどかぎりの幸運を降り注がれ、授けられたもの。