詩、定型詩の韻律 赤羽淑の著作

日本語の詩、和歌、短歌、俳句の、定型、韻律について、赤羽淑の読み取りと考察がもっとも優れていると私は創作者として感じ思います。詩歌にとってもっともたいせつなものが記されています。
著書を読み返して、気づいていなかったことを、またあらたに感じとれました。

赤羽淑 著書
藤原定家の歌風』桜楓(おうふう)社、
『定家の歌一首』同、
「和歌の韻律」『論集 和歌とレトリック』笠間書院、所収。


『リズムの美学-日中詩歌論』(松浦友久、明治書院もよい著作で、日本語の定型詩の音数律についての論考として、これまでの様々な方の探求の努力と成果を丁寧に読みとったうえでの考察が、リズムについて限れば、もっとも優れていると思います。
が、
日本語の韻律は音数律に限られるとの思い込み、断定にたち、
日本語の詩歌の細やかな調べ、韻律の繊細すぎるほどのふるえの、限りなく豊かな、音色旋律音楽を知らないないので、赤羽淑の韻律論の拡がりにとどけていないと思います。

詩歌は生きもの、言葉の、鼓動のみではなく、歌、旋律、音楽だと、どれほど深く感じとれるかどうか、作品を大切に感じられるか、愛情を抱けるかどうか、で、作品は死にもし、いのちそのものの美として、愛する人のように、まじかで息づきだしてもくれます。